前回に引き続き、「『初診日の証明』が取得できない場合の対処方法」の当事務所「ラピース」で実際に受けた案件を挙げてみます。
前回までの記事も是非ご覧ください↓
シリーズ1.『初診日の証明』が取得できない場合の対処方法~障害年金の請求をお考えの皆様へ~
『初診日の証明』が取得できない場合の対処方法~障害年金の請求をお考えの皆様へ~
シリーズ2.『初診日の証明』が取得できない場合の対処方法~ラピースでの具体的事例~
『初診日』が特定できない場合の対処方法~ラピースでの具体的事例~
ラピースでの具体的事例
相談者Bさん(40歳男性)の場合
「20年ほど前からうつ病と診断されています。
現在は、重度のうつ病で入退院を繰り返している状況です。
年金事務所に相談したところ、初診日の証明(初めて病院にかかった証明)が必要と言われましたが、初めてかかった病院はすでに廃院。
2番目に受診した病院に問い合わせをしたところ、昔のことなので詳しい資料(カルテ)がない、とのこと。
っというか、正直なところ5~6件の病院を受診しているので、どこが2番目なのかもよくわかりません。どうか、調べてもらえませんか。」
というご相談内容でした。
解説)
前述(過去のブログ)のとおり、障害年金を申請するには、初診日より前に一定期間の納付(または免除等)していることを要件としているため、初診日の特定は必須です。
しかしBさんは、
・初めてかかった病院が廃院していること
・2番目以降の病院にカルテがないこと
・また受診した病院の順番自体がわからなくなってしまったこと
などで初診日の証明が取得できず困っていました。
ラピースが行った調査内容
廃院している病院について調査
・継承している病院は存在しないか、当時の勤務医はどなただったか、病院跡地で営業中の事業所に当時についての聞き取りなど。
本人の記憶に基づき2番目以降の病院を整理し、古い病院から聞き取りを開始。
・カルテ等は存在しないか、その当時から勤務しておられる方はいないか、など。
発症当時、専門学校に通っていたが、病気療養のため休学していたことが判明。
・専門学校から休学証明を取り寄せ。
以上の調査等から取得できた資料を元に、Bさんの初診日を特定(推認)することができました。
現在は障害基礎年金2級を受給中です。
ここでのポイント!
病院のカルテ保存(義務)期間は5年です。
5年より前(過去)にさかのぼる場合、証明書や診断書の取得は年々難しくなります。
また、廃院の場合は取得できる可能性は極めて低くなります。
とにかくご相談を!
障害年金を申請してみよう!と思い立ったが吉日。
『もうすでに時遅し』と諦めずに、とにかく専門家へ相談してみましょう!
今後も、ラピースでの具体的事例(請求困難事案)を随時ご紹介していきます。
お楽しみに!!